マルチーズはその小さな体と白くふわふわの毛が特徴的な、愛らしいルックスで人々を惹きつける存在です。
その原産地や歴史、さらにはその飼いやすさについて詳しく知りたいと思いませんか?本記事では、マルチーズの全てを徹底的に解説します。
初めて犬を飼う人でも安心して、愛犬との生活を始めるためのガイドです。子犬を選ぶポイントから、その後のトレーニングや教育、さらには健康管理までを、具体的な方法とともに説明します。
マルチーズの基本情報:特徴から魅力まで
マルチーズは、純白のふわふわの毛並みと丸い瞳が特徴的な小型犬です。愛らしい外見だけでなく、明るく活発で人懐っこい性格も魅力です。
世界最古の愛玩犬とも言われるマルチーズは、古代からヨーロッパの貴族や王室に愛されてきました。現在も日本を含めた世界中で人気の高い犬種です。
そんなマルチーズの基本情報について、原産国と歴史、外見とサイズ、毛色と手入れなどを詳しくご紹介します。マルチーズを飼う前に、ぜひ参考にしてみてくださいね!
原産国と歴史:マルチーズのルーツ
マルチーズの原産国は、イタリア南部の地中海中央に位置するマルタ共和国です。紀元前1500年頃に海上交易に従事していたフェニキア人と呼ばれる民族が、貿易の中継地点であったマルタ島に持ち込んだ犬が、マルチーズの祖先だと考えられています。
その後、ローマ帝国やビザンティン帝国などの支配下に入りましたが、マルタ島は地理的に重要な位置にあったため、多くの貿易船が寄港しました。その際にマルチーズは他の地域にも広まっていきました。
5世紀頃には、ギリシャの陶器や壁画にマルチーズに似た犬が描かれており、当時のギリシャ人はマルチーズを「メロディア」と呼んで愛したと言われています。
14世紀頃にはイギリスへ渡り、貴族や王室に愛されました。また15世紀頃にはフランスへも持ち込まれ、人気が高まっていきました。
特にフランスではナポレオン3世やジョゼフィーヌ・ド・ボアルネなどがマルチーズを飼っており、上流階級の間で大流行しました。
日本では1968年から16年もの間、マルチーズが犬の登録頭数で1位というすごい記録があります。
現在も日本ケネルクラブ(JKC)の犬種別犬籍登録頭数データによると、2019年度におけるマルチーズの登録頭数は第10位と上位にランクインしており、現在も人気の高い犬種であることがうかがえます。
外見とサイズ:小さな体とふわふわの毛
マルチーズは小型犬に属し、標準体高は20~25cm 、 体重は2~3kg程度です。成犬でも軽々と抱っこできるくらい小さいですね。
体つきはやや丸みを帯びていますがお腹が引き締まっており、バランスのよい体型です。
目を引くのは直毛の長い毛です。柔らかくてずっと触っていたくなる気持ち良さです。
鼻の周りや尻尾の毛も長く、エレガントな雰囲気があります。頭部が丸く垂れ耳で、思わず撫でたくなります。
部位 | 特徴 |
---|---|
頭部 | 丸くて小さい |
目 | 黒くて大きい |
鼻 | 黒くて小さい |
耳 | 垂れ耳 |
首 | 短め |
胴 | やや長め |
脚 | 短め |
尻尾 | 長め |
毛色と手入れ:グルーミング方法とコツ
マルチーズといえば真っ白な毛というイメージがありますよね。正式に認められている毛色は白色ですが、一部黄色やクリーム色が入った子もいます。
毛質は艶やかでシルクのように滑らかです。被毛の構造は外部からの刺激を守るためのオーバーコート(上毛)だけが生えているシングルコート(1重構造)です。
シングルコートの犬種は換毛期がないため抜け毛は少ないほうです。しかし、毛が細く絡まりやすいため被毛が長い場合は毎日ブラッシングをして毛玉ができないようにしましょう。
また純白の被毛は汚れが目立つので目や口の周りをこまめに拭いてあげてください。
月に1回程度シャンプーをすることで美しい被毛を保つことができます。ただしシャンプーをしすぎると皮膚や被毛を傷める可能性があるため注意してください。
被毛は床に届くぐらいまで伸びるため定期的にトリミングをする必要もあります。
トリミングでは顔周りを丸くしたり耳周りの毛を長く残したりすることでマルチーズらしさを引き出すことができます。
マルチーズの性格と家庭での適応
マルチーズは、純白のふわふわの毛並みと丸い瞳が特徴的な小型犬です。愛らしい外見だけでなく、明るく活発で人懐っこい性格も魅力です。
古代からヨーロッパの貴族や王室に愛されてきたマルチーズは、現在も日本を含めた世界中で人気の高い犬種です。
そんなマルチーズの性格について、友好的で忠実なパートナーとしての特徴、子供や他のペットとの相性、適応力と初心者向きかどうかなどを詳しくご紹介します。
マルチーズを飼う前に、ぜひ参考にしてみてくださいね!
性格の特徴:友好的で忠実なパートナー
マルチーズは、頭がよくて素直で陽気な性格です。古くから人間と暮らしてきた犬種だけあって、しつけにあまり苦労しないことで知られています。
一般的に、小型犬は落ち着きのない子が多いと思われていますが、マルチーズは温厚で、他の犬と争うようなこともありません。
かつては上流階級の人たちの「抱き犬」として愛玩されていたこともあり、マルチーズは抱っこが大好きな甘えん坊です。
飼い主さんに褒めてもらうことが大好きですが、甘やかしすぎると、噛み癖や吠え癖の原因となることがあります。
しつけは子犬の頃から根気よく、しっかりと行いましょう。強制的なことを嫌う犬種なので、ほめながら上手にしつけましょう。
人見知りをする傾向があるので、子犬の頃から人や他の犬と触れ合うようにするといいでしょう。
また、飼い主さんと一時も離れたくないというほどの愛情深さを持っていますが、一頭でも安心して過ごせるように慣れさせることも大切です。
一頭で過ごすことに慣れさせておくことは、留守番時や入院時の不安やストレス軽減につながります。
子供や他のペットとの相性:マルチーズと他犬種のミックス犬
マルチーズは友好的で忠実なパートナーですが、子供や他のペットとの相性はどうでしょうか?
一般的には、子供や他のペットに対しても優しく接することができますが、個体差や育て方によっても変わってきます。
子供に対しては、小さくて可愛らしいマルチーズを強く抱きしめたり引っ張ったりすることを避けましょう。
マルチーズは気が強く勇敢な一面もありますが、小型犬ですから体が弱く怪我をしやすいです。また、子供に対して攻撃的になる可能性もあります。子供に対しては優しく接するよう教えましょう。
他のペットに対しては、同じ小型犬やネコなどと仲良くすることができますが、大型犬や小動物などに対しては注意が必要です。大型犬に対しては恐怖心や敵意を持つことがあります。
小動物に対しては本能的に追いかけたり噛んだりすることがあります。他のペットと一緒に暮らす場合は、子犬の頃から慣らすようにしましょう。
最近ではマルチーズ以外の犬種と交配させたミックス犬も人気があります。例えば、
- マルプー(マルチーズ×プードル)
- マルシュー(マルチーズ×シーズー)
- マルキー(マルチーズ×ヨークシャーテリア)
- マルティポン(マルチーズ×パピヨン)
- マルティポメ(マルチーズ×ポメラニアン)
などがあります。
ミックス犬は親犬種それぞれの特徴を受け継ぐ可能性があるため、飼育する前に親犬種それぞれの性格や特徴をよく調べるようにしましょう。
適応力と初心者向きか:飼育の難易度
マルチーズは適応力が高く初心者向きだと言えます。小型犬ですから室内飼育でも問題ありませんし、運動量も少なめですから散歩時間も長く取る必要はありません。また抜け毛も少ないですから掃除も楽です。
ただし被毛は長く絡まりやすいですから毎日ブラッシングをしたり定期的にトリミングをしたりする必要があります。
また甘えん坊で人間大好きな性格ですから留守番させる時間は長くしないようにしましょう。
項目 | 評価 |
---|---|
体型 | 小型 |
運動量 | 少 |
抜け毛 | 少 |
しつけ | 易 |
お手入れ | 難 |
留守番 | 難 |
以上から考えると飼育難易度は中程度だと言えます。初心者でも飼育可能ですが被毛や精神面のケアに注意する必要があります。
マルチーズの購入方法と選び方
マルチーズの性格や特徴に魅了されて、家族に迎えたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、マルチーズを購入するには、どこでどのように選ぶべきなのでしょうか。マルチーズは人気の高い犬種ですが、それゆえに悪質なブリーダーやペットショップも存在します。
健康で幸せなマルチーズを迎えるためには、購入方法や選び方に注意する必要があります。そこで、マルチーズを購入する際のポイントをご紹介します。
ブリーダー、ペットショップ、保護団体からの購入方法のメリットとデメリット、子犬・成犬選びのポイント、購入時の注意点などを詳しく解説します。マルチーズを購入する前に、ぜひ参考にしてみてくださいね!
ブリーダー、ペットショップ、保護団体からの購入
マルチーズを購入する方法としては、主にブリーダー、ペットショップ、保護団体からの3つがあります。
それぞれにメリットとデメリットがありますので、自分の希望や条件に合わせて選ぶようにしましょう。
ブリーダーからの購入
ブリーダーから直接マルチーズを購入する方法です。ブリーダーとは、犬種ごとに専門的な知識や技術を持って犬を繁殖させる人のことです。
ブリーダーから購入するメリットは以下の通りです。
- 中間業者を介さないため価格が安くなることが多い
- 親犬や兄弟犬と一緒に育った健康で社会性のある子犬が多い
- 犬種や個体ごとの特徴や性格を詳しく教えてもらえる
- しつけや飼育方法などについてアドバイスやサポートを受けられる
一方でデメリットもあります。
- ブリーダーによっては衛生管理や健康診断が不十分な場合がある
- 良心的なブリーダーは予約が多く待ち時間が長くなる場合がある
- 自分の住んでいる地域から遠く離れた場合は交通費や時間がかかる
ブリーダーから購入する場合は、以下の点に注意して選ぶようにしましょう。
- 衛生管理や健康診断がきちんと行われているか
- 親犬や兄弟犬と一緒に見学できるか
- 血統書やワクチン接種証明書などの書類が揃っているか
- 仔犬購入後も相談やフォローができるか
ブリーダーからマルチーズを探す方法としては、インターネットで検索する方法や、専門雑誌や書籍で紹介されているブリーダーを探す方法などがあります。
また、ブリーダー直販のポータルサイトも利用できます。こちらでは全国の優良ブリーダーから直接マルチーズを購入することができます。生命保障やお祝い金制度などもありますので安心です。
ペットショップからの購入
ペットショップからマルチーズを購入する方法です。ペットショップとは、ペット用品やペットフードなどと一緒に動物を販売している店舗のことです。
ペットショップから購入するメリットは以下の通りです。
- 自分の住んでいる近くで見つけられることが多い
- すぐに連れて帰れることが多い
- 保証期間内であれば健康面や飼育面でトラブルがあった場合に対応してもらえる
一方でデメリットもあります。
- 中間業者を介しているため価格が高くなることが多い
- 親犬や兄弟犬と離されて育ったストレスや不安を抱えた子犬が多い
- 犬種や個体ごとの特徴や性格について詳しく教えてもらえない場合がある
- しつけや飼育方法などについてアドバイスやサポートを受けられない場合がある
ペットショップから購入する場合は、以下の点に注意して選ぶようにしましょう。
- 衛生管理や健康診断がきちんと行われているか
- 子犬の出身地や親犬の情報が明記されているか
- 血統書やワクチン接種証明書などの書類が揃っているか
- 保証期間内であれば健康面や飼育面でトラブルがあった場合に対応してもらえるか
ペットショップからマルチーズを探す方法としては、インターネットで検索する方法や、実際に店舗に足を運んで見学する方法などがあります。また、ペットショップ紹介サイトも利用できます。
こちらでは全国のペットショップからマルチーズを探すことができます。価格比較や口コミも見られます。
保護団体からの購入
保護団体からマルチーズを引き取る方法です。保護団体とは、殺処分されそうな動物たちを救出したり里親探しをしたりするボランティア団体のことです。
保護団体から引き取るメリットは以下の通りです。
- 引き取り料金は安く済むことが多い
- 健康診断やワクチン接種などの医療費用が負担されていることが多い
- 里親になる前にトライアル期間が設けられることが多い
命を救うことができる一方でデメリットもあります。
- マルチーズの保護犬は数が少なく、希望する子犬や成犬を見つけるのが難しい場合がある
- 保護犬の過去や経歴が分からない場合がある
- 保護団体によっては引き取り条件や審査が厳しい場合がある
保護団体から引き取る場合は、以下の点に注意して選ぶようにしましょう。
- 保護団体の信頼性や評判を確認する
- マルチーズの健康状態や性格を詳しく聞く
- トライアル期間やアフターケアの有無を確認する
- 引き取り条件や審査内容を事前に把握する
保護団体からマルチーズを探す方法としては、インターネットで検索する方法や、動物愛護イベントやフリーマーケットなどで出会う方法などがあります。
また、保護犬里親募集サイトも利用できます。こちらでは全国の保護団体からマルチーズを探すことができます。写真や動画も見られます。
子犬・成犬選びのポイント:健康や性格を見極める
マルチーズを購入する方法が決まったら、次は子犬・成犬選びです。マルチーズは一般的に人懐っこくて明るい性格ですが、個体によっても性格や特徴は異なります。
自分の家族や生活スタイルに合ったマルチーズを選ぶためには、以下のポイントに注意して見極めましょう。
子犬選びのポイントは、健康面と性格面です。健康面では、以下の点に注目します。
- 目や鼻、耳などが清潔で異常がないか
- 歯並びや噛み合わせが正常か
- 毛並みや皮膚が艶やかで湿疹やフケがないか
- 体型や骨格が均整で太りすぎや痩せすぎではないか
- 歩き方や姿勢に癖や不自然さがないか
- 排泄物の色や形、臭いが正常か
性格面では、以下の点に注目します。
- 人に対して興味や好奇心を示すか
- 兄弟犬と仲良く遊んだり寄り添ったりするか
- 音や物に対して怖がったり吠えたりしないか
- おもちゃやおやつに対して執着したり嫉妬したりしないか
- 甘噛みや引っ掻きなどの攻撃的な行動をしないか
子犬選びでは、一度見学しただけでは判断しにくい場合もあります。できれば何度か見学して、子犬の様子をじっくり観察しましょう。
また、ブリーダーやペットショップのスタッフにも質問して、子犬の特徴や性格を聞くことも大切です。
成犬選びのポイント
成犬選びのポイントは、健康面と相性面です。
健康面では、子犬選びと同様に目や鼻、耳などの清潔さや異常の有無、歯並びや噛み合わせの正常さ、毛並みや皮膚の艶やかさや湿疹・フケの有無、体型や骨格の均整さや太りすぎ・痩せすぎの有無、歩き方や姿勢の癖・不自然さ、排泄物の色・形・臭いなどに注目します。
また、年齢に応じて定期的に受けている健康診断やワクチン接種などの記録も確認しましょう。
相性面では、以下の点に注目します。
- 自分や家族に対して友好的で穏和な態度を示すか
- 他の動物と仲良くできるか
- 環境の変化に対してストレスを感じたりパニックに陥ったりしないか
- しつけされているか
- 飼育方法や生活リズムに合わせて調整できるか
成犬選びでは、トライアル期間を利用することがおすすめです。トライアル期間とは、実際に自宅で一時的に飼育してみて相性を確認する期間のことです。
保護団体ではトライアル期間を設けていることが多くあります。トライアル期間中は、成犬の様子をよく観察して、自分と家族との相性だけでなく、住まいや生活スタイルとも合っているかどうかを判断しましょう。
また、保護団体や元飼い主からも成犬の特徴や性格を聞くことも大切です。
購入時の注意点:価格帯別のマルチーズ選びと安心な選び方
マルチーズを購入する際には、価格帯別に注意点があります。また、安心して購入するためには、契約書作成なども必要です。ここでは、価格帯別のマルチーズ選びと安心な選び方について解説します。
価格帯別のマルチーズ選びマルチーズは人気の高い犬種ですが、その価格帯は幅広く変動します。一般的にはペットショップやブリーダーから購入する場合は、10万~20万円程度が相場です。
保護団体から引き取る場合は、無償もしくは数千円~数万円の寄付金が必要です。里親になる場合は、無償もしくは数千円~数万円の譲渡費用が必要です。価格帯によってメリットやデメリットがあります。
例えば、ペットショップやブリーダーから購入する場合は、子犬の選択肢が多く、健康診断やワクチン接種などの医療費用が負担されていることが多いというメリットがありますが、値段が高く、悪質なブリーダーやペットショップに注意しなければならないというデメリットもあります。
保護団体から引き取る場合は、値段が安く、命を救うことができるというメリットがありますが、マルチーズの保護犬は数が少なく、希望する子犬や成犬を見つけるのが難しい場合があるというデメリットもあります。
里親になる場合は、値段が安く、命を救うことができるというメリットがありますが、保護犬の過去や経歴が分からない場合があるというデメリットもあります。
自分の予算や希望に合わせて、価格帯別にマルチーズを選ぶようにしましょう。
安心な選び方
マルチーズを購入する際には、安心して購入するために以下の点に注意しましょう。
- マルチーズの健康状態や性格を詳しく聞く
- マルチーズの親犬や兄弟犬を見る
- マルチーズの血統書や健康証明書を確認する
- マルチーズの飼育環境や育て方を確認する
- マルチーズのアフターケアや保証制度を確認する
- 契約書を作成する
契約書はマルチーズを購入する際に必ず作成しましょう。契約書には以下の内容を記載します。
- 譲渡日
- 譲渡費用
- 譲渡者と譲受者の氏名・住所・連絡先
- マルチーズの名前・性別・生年月日・毛色・体重・マイクロチップ番号
- マルチーズの血統書・健康証明書・ワクチン接種記録
- マルチーズの健康状態や特徴
- マルチーズの飼育方法や注意事項
- マルチーズの返品・返金・交換・保証などの条件
契約書は譲渡者と譲受者で2通作成し、それぞれ署名・捺印して交換します。契約書は大切に保管しておきましょう。
マルチーズのトレーニングと教育
マルチーズは、ふわふわの被毛と愛らしい表情が魅力的な犬種です。人懐っこくて遊び好きな性格で、飼い主さんと一緒にいることが大好きです。
しかし、その反面、気が強くてわがままな一面もあります。マルチーズを飼うなら、しっかりとトレーニングと教育を行って、快適な暮らしを送るための基礎を作りましょう。
トレーニングの基本:効果的な方法と練習
マルチーズは比較的しつけやすい犬種ですが、それでもトレーニングにはコツがあります。マルチーズのトレーニングの基本は、以下の3つのポイントに注意することです。
信頼関係を築く
マルチーズの特徴は甘えんぼうで素直な性格ですが、神経質で警戒心が強い一面もあります。
信頼関係を築くためには、スキンシップが重要です。飼い主との触れ合いを大切にし、お互いの心を通じ合わせることが大切です。
トレーニング中には褒めることを重視し、声かけやおやつを使って褒めましょう。また、トレーニングは短時間で繰り返し行うことで効果的です。
ダメなことを伝える際にはしっかりと伝えますが、厳しさと優しさのバランスを保つことも重要です。
これらの方法を取り入れることで、マルチーズとの信頼関係を築き、良好なコミュニケーションを図ることができます。
褒めて伸ばす
マルチーズの特徴は、飼い主さんの機嫌や感情に敏感であることです。そのため、叱ったり怒ったりすると萎縮したり反抗したりする可能性があります。
褒めることで成長させるアプローチを取りましょう。トレーニング中は楽しく行うことが大切です。上手にできたら声かけやおやつで褒めてあげましょう。
これらの方法を使ってマルチーズをトレーニングすると、よりポジティブな結果が得られます。マルチーズは褒められることでやる気を引き出し、成果を上げることができます。
メリハリをつける
マルチーズの特徴は、気分屋で飽きやすい性格であることです。同じことを長時間やらせると集中力が切れてしまうことがあります。
メリハリをつけたアプローチを取りましょう。短時間でトレーニングを行うことが重要です。何度も繰り返し行うことで、効果的に学習させることができます。また、ダメなことはしっかり伝えましょう。甘やかし過ぎず、厳しさと優しさのバランスを保つことが大切です。
これらの方法を使ってマルチーズをトレーニングすると、彼らの特性に合わせて効果的に成果を上げることができます。メリハリを持たせ、興味を引きつけることで、より良いトレーニング結果が得られるでしょう。
マルチーズのトレーニングにおすすめなコマンドは、「おすわり」「待て」「おいで」「ハウス」などです。
これらのコマンドは、日常生活で役立つだけでなく、危険から守ることもできます。コマンドを教える際には、以下の手順を参考にしてください。
手順 | 内容 |
---|---|
コマンドを決める | 1つの目的に対して1つの単語を決める |
コマンドを発する | 犬の目線に合わせて顔を近づけてはっきりとコマンドを発する |
行動を促す | コマンドに従って行動するように促す |
褒める | コマンドに従って行動したら、すぐに声かけやおやつで褒める |
繰り返す | コマンドを覚えるまで何度も繰り返し、徐々に手助けを減らしていく |
しつけのポイント:タイミングとコツ
マルチーズのしつけでは、タイミングとコツが重要です。タイミングは、褒めたり叱ったりするタイミングです。コツは、しつけ方や方法論です。
褒めたり叱ったりするタイミングは、行動した直後が最適です。マルチーズの記憶力は低いため、数分後や数時間後では意味がありません。
しつけのコツとしては、一貫性を持つことが重要です。一度決めたルールやコマンドは変えずに一貫して教えてください。また、犬に伝えるメッセージは分かりやすくシンプルにすることも大切です。
そして、しつけは遊びの一環であるべきです。楽しく行うことが犬との絆を深めるために重要です。トレーニングを遊びの一部として取り入れ、犬が楽しむことができる環境を作りましょう。
これらのアプローチを使って、マルチーズのしつけを行うとより良い結果が得られるでしょう。一貫性を持ちながら分かりやすく楽しいトレーニングを行い、犬とのコミュニケーションを深めていきましょう。
以上をまとめると、以下のようになります。
タイミング | コツ |
---|---|
直後が最適 | 一貫性を保つ |
記憶力が低い | 分かりやすくする |
楽しさを重視する |
このまとめにより、マルチーズのしつけにおいて重要なタイミングとコツが一目でわかるようになります。
問題行動の対処法:吠えや甘えん坊を克服
マルチーズは気が強くてわがままな一面もあります。そのため、問題行動を起こすこともあります?。問題行動の原因や対処法は以下の通りです。
問題行動 | 原因 | 対処法 |
---|---|---|
甘えん坊 | 甘やかし・依存・不安・注意欲求など | 適度な距離感を保つ・無視する・ハウスで落ち着かせるなど |
甘噛み | 遊び・甘え・歯がかゆい・ストレスなど | 遊びを中断する・おもちゃを与える・褒めるなど |
マーキング | 縄張り意識・オスの本能・ストレスなど | 去勢する・テリトリーを狭める・褒めるなど |
分離不安 | 寂しさ・不安・ストレスなど | お留守番の練習をする・おもちゃや音楽で気分転換させるなど |
吠えについては、吠える理由によって対処法が異なります。例えば、威嚇や警戒で吠える場合は、飼い主さんが安全だという態度を見せてあげたり、吠えたら無視したりして、吠える必要がないことを教えます。
興奮やストレスで吠える場合は、落ち着かせたり、適度に運動させたりして、ストレスを発散させます。退屈や要求で吠える場合は、遊んだり、おやつをあげたりして、満足させます。
注意欲求で吠える場合は、無視したり、ハウスに入れたりして、吠えても意味がないことを教えます。
甘えん坊については、飼い主さんと一緒にいたい気持ちは尊重しつつも、適度な距離感を保つことが大切です。常に抱っこしたり、寝床を一緒にしたりすると、依存心が強くなってしまいます。
マルチーズは自立心が低い犬種なので、飼い主さんがいないときにパニックに陥ったり、分離不安になったりする可能性があります。
そのため、ハウスやサークルで落ち着かせたり、おもちゃや音楽で気分転換させたりして、一人で過ごすことに慣れさせましょう。
甘噛みについては、遊びや甘えの延長戦として行っていることが多いです。しかし、成犬になると噛み癖になってしまう恐れがあるので、早めに直すことが必要です。
甘噛みをしたら、遊びを中断して無視したり、「イタイ!」と言って痛みを感じさせたりして、甘噛みはダメだということを教えます。
また、歯がかゆくて噛んでしまう場合は、おもちゃを与えて歯の痒みを和らげてあげましょう。
マーキングについては、マルチーズは気が強くてマーキングが多い犬種です。これは縄張り意識やオスの本能によるものが大きいです。マーキングを減らす方法としては、去勢することが最も効果的です。
去勢することでホルモンバランスが変わり、マーキングの頻度や量が減少します。ただし、去勢はメリットだけではなくデメリットもありますので、事前によく調べてから決めましょう。
他の方法としては、テリトリーを狭めることです。マルチーズが自分の場所だと認識する場所を限定していきましょう。
分離不安については、マルチーズは寂しがり屋で分離不安に陥りやすい犬種です。分離不安は飼い主さんが家を出るときや帰ってくるときの態度や行動によって引き起こされることが多いです。
そのため、飼い主さん自身が分離不安を防ぐための工夫をすることが重要です。具体的には、
- 家を出る前や帰ってきた後はあまり愛想よくしない
- 家を出る前や帰ってきた後はおやつやおもちゃで気分転換させる
- 家を出る前や帰ってきた後はハウスやサークルで落ち着かせる
- 家を出る前や帰ってきた後は音楽やテレビで孤独感を和らげる
などの方法があります 。また、お留守番の練習も有効です。最初は数分間だけ家を出てみて徐々に時間を伸ばしていきましょう。
マルチーズの健康管理とケア
マルチーズは、小さくて愛らしい犬種ですが、その分、健康管理とケアには工夫が必要です。マルチーズは暑さに弱く、涙やけや歯石などのトラブルにも悩まされやすいです。
また、気が強くてわがままな一面もありますので、適切な運動量や散歩の仕方も重要です。
マルチーズの健康と美しさを保つためには、定期的な健康チェックと食事管理、目やに対策や歯磨き、耳掃除などのケア方法を知っておきましょう。
定期的な健康チェックと食事管理:ドッグフード選び
マルチーズは、小型犬にありがちな心臓病や膝蓋骨脱臼などの病気にかかりやすいです1。また、白い被毛が特徴的な犬種ですが、その反面、皮膚病やアレルギーにも注意が必要です。
マルチーズの健康を守るためには、定期的な健康チェックと食事管理が欠かせません。
定期的な健康チェック
マルチーズは病気になっても自分で我慢してしまうことが多いため、飼い主さんが日頃から愛犬の様子を観察して、異変に気づくことが大切です。
毎日のブラッシングやお手入れの際には、目や口周り、耳や肛門などの汚れや異臭をチェックしましょう。
また、体重や便の状態、食欲や元気さなども記録しておくと良いでしょう。定期的に動物病院で検診を受けることも忘れずに行いましょう。
食事管理
マルチーズは小型犬であるため、食事量は少なくて済みます。
しかし、その分、栄養バランスや消化吸収率が高いドッグフードを選ぶことが重要です。
安価で添加物が多いドッグフードは避けて、体質に合った高品質なドッグフードを与えましょう。
また、涙やけの原因にもなることがあるので、人間の食べ物は極力与えないようにしましょう。
ドッグフードの選び方や与え方のポイントは以下を参考にしてください。
体質に合ったフードを選ぶ
同じマルチーズでもアレルギーの有無や体質の違い、好みの違いなどで一概にこのフードがいいとは言えません。
保存料や酸化防止剤などの添加物が使用されていないか、タンパク源は何かを意識しながら色々なフードを試してみると良いでしょう。
小さい粒で小容量パックを選ぶ
身体が小さなマルチーズはもちろん口も食道も小さいので小さい粒のフードを選んでください。
また一度に食べる量も少量のため大容量のドッグフードは食べきる前に酸化してしまいます。
1~2週間で食べきれる量を目安にパッキングされたものを選ぶと便利です。
年齢に合わせたフードを切り替える
子犬のうちは栄養を十分に摂り健康的な骨や筋肉内臓を作ることが重要です。
1才前後でパピーフードを卒業しますが愛犬の体重の伸びが落ち着いて来たらこれまでの量を残すようになったら(食欲が落ち着く)、アダルト用のフードへ切り替えましょう。
肥満にならないように適量与える:成長期が落ち着いたらそこからは肥満にならないよう注意が必要です。
特にマルチーズは小さな身体で骨が細く肥満は四肢の関節や腰に大きな負担をかけてしまいます。たった100gの体重増でも体重50kgの人間にしてみたら2kg近く増加することに値します。
水分補給を忘れずに
マルチーズは暑さに弱く熱中症にかかりやすいです 。水分補給は常時可能な状態にしておきましょう。
水道水ではカルキ臭さで嫌がる子もいますので浄水器付き給水器等を利用すると良いでしょう。
食事時間と場所を決める
食事時間と場所を決めてあげることで生活リズムが整います。また食事中は邪魔しないようにしてあげましょう。
食後すぐ散歩しない
食後すぐ散歩すると胃捻転(胃拡張)という危険な状態に陥る可能性があります 。
食後30分~1時間程度は安静にさせてあげましょう。
適切な運動量と散歩
マルチーズは小型犬ですが、元気で活発な犬種です。適切な運動量と散歩をすることで、健康やストレス解消にも役立ちます。また、散歩は社会化のためにも重要です。
マルチーズは警戒心が強く、飼い主以外の人や犬に対して吠えたり噛んだりすることがあります 。若いうちから色々な人や犬と触れ合わせることで、穏やかで友好的な性格を育てましょう。
運動量:マルチーズの運動量の目安は、1日に30分~1時間程度です。ただし、暑さに弱いので夏場は早朝や夕方など涼しい時間帯に行きましょう。
また、散歩以外にも室内でおもちゃで遊んだり、階段を上り下りしたりすることも運動になります。
散歩のコツ:マルチーズは気が強くてわがままな一面があります。そのため、散歩中に引っ張ったり、止まったり、吠えたりすることがあります。散歩のコツは以下の表を参考にしてください。
散歩中の問題行動 | 原因 | 対処法 |
---|---|---|
引っ張る | 興味があるものに行きたい・自分がリーダーだと思っている・ストレスや興奮など | リードを短く持つ・引っ張ったら逆方向に歩く・引っ張らなかったら褒める・ハーネスや首輪を見直すなど |
止まる | 疲れた・怖いものがある・自分のペースで歩きたい・飼い主の注意を引きたいなど | 無理に引っ張らない・休憩を入れる・声かけやおやつで誘導する・止まらなかったら褒めるなど |
吠える | 警戒心や攻撃性・ストレスや興奮・注意欲求など | 飼い主が落ち着く・吠えたら無視する・吠える前に気をそらす・吠えなかったら褒めるなど |
目やに対策や歯磨き、耳掃除のケア方法
マルチーズは美しい白い被毛が特徴的ですが、その反面、目やにや涙やけ、歯石や口臭、耳垢や耳ダニなどのトラブルにも悩まされやすいです。
これらのトラブルは見た目だけでなく健康にも影響しますので、日頃から目やに対策や歯磨き、耳掃除などのケア方法を実践しましょう。
目やに対策
マルチーズは目が大きくて出っ張っているため、目やにが多く出ます 。目やには雑菌が繁殖して染色されてしまうことで涙やけの原因にもなります。
目やに対策としては以下のことを行いましょう。
- 毎日コットンやティッシュで目やにを拭き取る
- 殺菌効果のあるスプレーやローションを使用する
- 目ヤニ取り用シートを使う
- 涙管洗浄を定期的に行う
- 涙焼け防止用フードやサプリメントを与える
歯磨き
マルチーズは小型犬であるため、歯並びが悪くて歯垢が溜まりやすいです 。歯垢は数日で歯石となり、細菌が繁殖して口臭や歯周病の原因にもなります。
歯周病は全身への影響も大きいですので、早め早めの予防が必要です。歯磨きは以下の方法で行いましょう。
- 犬用の歯ブラシと歯磨き粉を用意する
- 最初は水を含ませたガーゼで口元に慣れさせる
- 歯ブラシに好きなおやつの匂いや缶詰の汁をつけて舐めさせる
- 歯ブラシで前歯から徐々に奥へと磨く
- 理想は毎日だが少なくとも3日に1回は行う
耳掃除
マルチーズは垂れ耳タイプであるため、耳の中が蒸れて外耳炎などの病気にかかりやすいです 。耳掃除は以下の方法で行いましょう。
- 犬用イヤークリーナーとコットンを用意する
- イヤークリーナーを耳の中に数滴垂らす
- 耳の付け根を揉んで液体を馴染ませる
- 手を離してブルブルさせる
- 出てきた汚れをコットンで拭き取る
マルチーズの病気と予防策
マルチーズは、小型犬であるため、心臓病や膝蓋骨脱臼などの病気にかかりやすいです。また、白い被毛が特徴的な犬種ですが、その反面、皮膚病や涙やけなどのトラブルにも注意が必要です。
マルチーズの病気と予防策を知っておくことで、愛犬の健康を守り、長生きさせることができます。
マルチーズがかかりやすい病気とその症状、予防策と早期発見の方法、高齢犬のケアと注意点について解説していきます。
よくある病気とその症状
マルチーズは、以下のような病気にかかりやすいとされています。
病気 | 特徴 | 症状 |
---|---|---|
心臓病(僧帽弁閉鎖不全症) | 心臓の僧帽弁の閉鎖不全による血液逆流 | 食欲不振、咳、呼吸困難 |
外耳炎 | 外耳の炎症 | 耳垢増加、異臭、かゆみ |
涙やけ(流涙症) | 鼻涙管の閉塞による涙の溢れと目の周りの毛や皮膚の変色 | 目やに増加、目の下の赤茶色のシミ |
膝蓋骨脱臼 | 膝蓋骨の脱臼による歩行障害 | 歩行時の左右のバランスの悪さ、スキップのような仕草 |
シェイカードッグ症 | 免疫系異常による全身性の震え | 手足や頭部の震え、ふらつき |
皮膚炎 | 皮膚の感染やアレルギーによる炎症 | 皮膚の赤み、かゆみ、湿疹 |
予防策と早期発見の方法
マルチーズがかかりやすい病気は、完全に予防することは難しいものもあります。
しかし、以下のような予防策と早期発見の方法を実践することで、愛犬の健康を守ることができます。
- 定期的な健康チェックを受ける
- 日常の観察で異変に気づく
- 適切な食事管理(栄養バランスと消化吸収率に注意)
- 高品質なドッグフードを与える(安価な添加物の少ないものを避ける)
- 適切な運動量を提供する(散歩や遊び)
- 清潔な生活環境を維持する(ブラッシング、お手入れ、シャンプー)
- 病気の早期発見と早期治療(異常な様子が見られたらすぐに獣医に相談)
病気 | 早期発見のための症状 |
---|---|
心臓病 | 咳や呼吸困難、食欲不振など |
外耳炎 | 耳垢や耳からの異臭、耳をかゆがる仕草など |
涙やけ | 目やにや涙の量が多い、目の下に赤茶色のシミができるなど |
膝蓋骨脱臼 | 歩行時に左右のバランスが悪い、スキップする仕草など |
シェイカードッグ症 | 手足や頭部などが震える、ふらつくなど |
皮膚炎 | 皮膚が赤くなる、かゆみや湿疹が出るなど |
高齢犬のケアと注意点
マルチーズは小型犬であるため、寿命は長めです。しかし、高齢になると体力や免疫力が低下し、さまざまな老化現象が現れます。
高齢犬として快適に暮らせるように、以下のようなケアと注意点を守りましょう 。
- 高齢犬には消化しやすく栄養価の高いドッグフードを与える
- 適量の食事と水分補給を行う
- 無理な運動を避けつつ、軽度な散歩や遊びを取り入れる
- 定期的な検診と日常の観察で健康管理を行う
- 快適な生活環境を整える(温度調節、快適な寝床、滑り止め対策)
- 愛情表現をたくさんしてストレスや孤独感を軽減する
まとめ
この記事では、マルチーズの魅力から購入方法、飼い方に至るまでを詳しく解説しました。
原産国や歴史、見た目や毛色に至る基本情報を初めに把握し、その後、マルチーズ特有の性格や他犬種とのミックスについて学びました。
そして、購入方法から価格帯による選び方、保護犬のマルチーズについても触れました。
また、トレーニングや教育についての有効な方法、問題行動の対処法を紹介し、最後に健康管理やケアについての必要な知識を学んでおくといいでしょう。